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<No.2>

= 今、なぜヨガなのか?“私的”ヨガ史 =

その1: 創世記

世界中でヨガブームの昨今ですが、インドで生まれたヨガが、ウエスタンの国々に伝わってきたのは、実はごくごく最近のことです。 今回から3部に分けて、「ヨガの道程」をひもといてみましょう。
<ヨガの誕生と発達>
文献もない時代のことではっきりとはわかりませんが、だいたい4000年前、環境の厳しいインドで、ヨガは誕生したといわれています。
「人間は考える葦である」...のごとく、古代インド人は、その厳しい自然の中で、どうしたら様々なことに惑わされず、 心も体も強く生きていけるか,さらに心身を高めていけるかを試行錯誤し、長い、長い年月をかけてヨガは練られ、洗練されてきたのだと 思われます。
初期3000年以上の間は、ヨガは今のようにポーズを伴うものではなく、 「ヨガ=哲学」として発展。心身の絶対なる統一を目指し、 至上の境地に至たる瞑想中心のものでありました。
「人間は考える葦である」その2...今から1000年ほど前になると、瞑想に至りやすくするために、人間はまたまた新しい工夫を 生み出します。(ま、ただ座って悟る...というのは、誰にでもできる方法ではなかったのでしょうね、きっと...)
ここで、やっと今「ヨガ」というと、皆が思い描くイメージのヨガ=体の動き(ポーズ)と呼吸を組み合わせて、心を集中させやすく、 瞑想しやすくさせた「ハタヨガ」(アサナ)が誕生するのであります。

BC200年になると、賢者パタンジャリによって、今まで伝えられてきたヨガがまとめられます。 それが、今現在残るヨガの文献最古の「ヨガスートラ」。これは、ヨガの哲学と修練について解説された、いわばヨガのバイブル。
しかし、やっと、ヨガが文書化されたとはいえ、サンスクリット語で書かれたこの文献は、解釈が非常に難解!今でこそ、各国で訳され、 研究が進んでいますが、長〜〜い間、ほぼ門外不出(に自然になっていた)状態で、「ヨガ」もまた、それと同様、門外不出状態で、 延々 何年もインドで静かに伝えられていたことと思います。
さ〜〜て、このヨガが、どんな道程でこんなにも波及してきたか?

その2: ヨガ 海外進出の過程

<ヨガの波及>

4000年以上もの歴史をもち 何千年も門外不出状態で、インドで静かに伝えられてきたヨガが、西洋世界に波及した最初のきっかけは、 インドがイギリスの植民地になった頃からではないかと思われます。英国領インドに渡ったイギリス人たち(政府関係者、 貿易商などなど...)は、ヨガをする人たちを見たはずでしょう。最初に彼らは何を思ったか?どんな影響を受けたか? 想像すると楽しいですね。
  こうして、世界の近代化が進み、交流が盛んになってくると、ヨガも少しずつ近代化が始まります。
1900年頃になると、インドの国内でも、クリシュナマチャリヤというヨギが、外国人にもわかりやすい状態でヨガを解説し始め、 その子供や弟子たちが、それを伝え始めています。
1915年には、カルカッタの最高裁判者の裁判長に就任したイギリス人が、ヨガに魅せられ、大変な努力をしてたくさんの サンスクリット語の文献を英訳して、ヨガ哲学を西洋に広めることに貢献したという記録が残っています。
(ヨガの文献は訳しただけではわかりにくい、ひじょうに難解きわまりないもの...それをわかりやすく英訳するのには 並々ならぬご苦労があったことと、頭がさがります )
皆がよく知っているスイスの心理学者のカール・ユングも、この頃(1932年)チューリッヒの心理学会でヨガのセミナーを 主催しました。これは、欧米人によって、東洋の思想が正しく評価された最初の一歩だった、といわれていいます 。
同時に、インドのヨギ(ヨガの行者)も、この頃から海外に渡り、ヨガを普及し始めました。私の尊敬するヨギの一人パラマハンサ・ ヨガナンダは、1920年、アメリカに渡り、そこですばらしいヨガセンターをひらいています。

この時代が,ヨガが海外へ進出し、ヨガというものが理解された第一期といえましょう。
この第一期は、昨今のブームと違って、「ヨガ=哲学」として(特に精神世界における新しい世界観として)欧米世界に大いなる 影響を与えました。

その3: ヨガ 大ブームの裏側

<第2、第3の波>

次なる西洋へのヨガの波は、(私的な解釈が多分に入って恐縮ですが)1960〜1970年代、ヒッピー時代である、と思われます。 そう、あのビートルズもインドに渡った頃です。
同時に、インドのヨギたちもさらに西洋社会へ渡るようにもなりました。この時も、今のようにヨガ大ブームが起こり、 その頃からヨガ指導を続けて今に至っている人々も大勢います。

そして、第3の波は「今」21世紀です。
はじめの、ヨガの世界進出のときと違って、この第2、第3の波は、世の中の状況がかなり反映しているような気がします。
第2の時代は、ベトナム戦争がバックグラウンドにあり、世の中(特にアメリカ)が不安定な時代だったでしょう。そして今も、 世の中全体が 自然環境も含めて 不安と苦境に直面している時代です。  
世の中が不安定な時に、ヨガがブームになるーーー
これは、ヨガに何か「救い」があるから、それを無意識か、または意識的に皆が求めるがゆえに、ヨガは今こんなにも必要と されるのではないか...と私が思うのも、そんなに的外れなことではないと思われます。

いいエネルギーに満ちているとはいえない、今のこの社会で、ヨガを通して、一人一人がいいエネルギーを培っていくのは、 だからこそ意味があることと強く思います。不安をバネに、ヨガに目覚めた人たちが、ヨガでいいエネルギーを世界中に ばらまいてくれますように!と願いつつ...



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